日本ケミコン株式会社
<新製品ニュース>
日本ケミコン 液浸冷却 アルミ電解コンデンサ
日本ケミコン株式会社
日本ケミコン株式会社は、業界初となるサーバーの「液浸冷却」に対応したアルミ電解コンデンサの開発に成功しました。この新製品は、生成AI技術の普及や自動運転インフラの拡大に伴い、次世代データセンターの高効率な冷却を実現します。従来の空冷方式に比べ、液浸冷却はより高い冷却効率を提供し、データセンターのエネルギー消費を削減します。新しい封口ゴムの開発により、液浸環境でも長寿命を実現し、2025年度から量産を開始する予定です。(ミタチ産業要約)
日本ケミコン株式会社
業界初、サーバーの「液浸冷却」に対応したアルミ電解コンデンサの開発に成功
日本ケミコンは、拡大するITインフラの高性能化に貢献すべく、サーバー上で使用されるアルミ電解コンデンサの高機能化を進めてまいりました。このたび、高効率なサーバー冷却手法である液浸冷却(Liquid Immersion Cooling)に対応した製品の開発に業界で初めて成功し、サンプル対応を開始いたしました。
昨今、生成AI技術の普及、製造業におけるDX推進、さらに自動車の自動運転インフラとしての活用などを背景に、次世代データセンターの拡大に期待が高まっています。
一方、既に市場投入されているAIサーバーでは、CPU/GPUの高性能化も相まって、従来のサーバーユニットとは桁違いの消費電力となっており、サーバーユニット個々の発熱が増大したことで、 データセンターでの冷却用空調電力需要が急拡大し、結果としてデータセンター全体の消費電力が増加しています。 データセンターのエネルギー消費量は増加傾向にあり、各国でのカーボンニュートラルの取り組みが進行する中、世界的な環境課題となっています。
一方、一般的なアルミ電解コンデンサを液浸した場合、封口ゴムの劣化を促進し、気密不良によって短寿命化することが確認されています。 アルミ電解コンデンサは、サーバー上では1次側平滑用から最後段のCPU/GPU駆動用まで多岐にわたって使用されており、液浸への対応が必要となります。
- *1
- PUE = (データセンター全体の消費電力量[kWh]) / (IT機器の消費電力量[kWh])
一般的なデータセンターのPUEは2.0程度
当社は、封口ゴムを自社開発している強みを活かし、液浸冷却に対する気密耐性評価を実施、新規封口ゴムを開発しました(特許申請中)。また、大手冷媒メーカーにもご協力をいただき評価を継続しています。
既に、データセンター関連の一部のユーザー様で液浸冷却での評価をいただいていますが、車載市場、産機市場においても冷却は大きな課題と想定しており、ご要求に応じて試供させていただきます。
提案製品群
分類 | 形状 | シリーズ名 | 特徴 |
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導電性高分子コンデンサ | チップ形 |
液浸冷却対応品 |
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導電性高分子コンデンサ | リード形 |
液浸冷却対応品 |
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ハイブリッドコンデンサ | チップ形 |
液浸冷却対応品 |
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アルミ電解コンデンサ | チップ形 |
液浸冷却対応品 |
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アルミ電解コンデンサ | 基板自立形 |
液浸冷却対応品 |
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サンプル・量産時期
- 液浸評価用サンプル:対応中
- 量産:2025年度
封口ゴムの劣化比較
図1.液浸試験後の外観比較
従来品は冷媒の浸透により封口ゴムが膨潤するとともに一部溶けている箇所がありますが、液浸対応品は変化がありません
注) 試験前の外観は従来品と液浸対応品で同一であり、液浸対応品のみ例示
図2.液浸試験での重量変化
冷媒の浸透度合いを評価する為の重量変化試験において、従来品は重量増加が認められますが、液浸対応品の重量変化はありません
液浸試験のイメージ
図3.液浸試験での浸漬方法
基板に電子部品が実装された状態で直接冷媒に浸漬されます
生成AI分野で活用されるアルミ電解コンデンサ
データセンタ内で数多くのアルミ電解コンデンサが使用されていることをご理解いただけますので、合わせてご覧ください。